日本の葬儀の90パーセント近くは仏教形式ですが、キリスト教や神道、あるいは新宗教においてもペット参列のニーズは高まっており、それぞれの宗教観に基づいた独自の対応が取られています。キリスト教の場合、プロテスタントの多くの教会では「すべての生命は神の被造物であり、共に死を悼むことは自然なこと」という寛容な立場を取ることが多く、聖堂内へのペット同伴を許可するケースが増えています。特に「愛と救い」を強調する教派では、ペットが祭壇のそばで参列することを、神の恵みの象徴として歓迎することさえあります。一方で、カトリックの一部では、聖堂は神聖な祈りの場として人間のみに制限される場合もありますが、その場合も教会の庭や控室での待機を認めるなど、柔軟な配慮がなされることが一般的です。神道(神葬祭)においては、動物は「神の使い」としての側面を持つ一方で、死を「穢れ」と捉える非常に厳格な思想があるため、火葬場や斎場内へのペット立ち入りは仏教以上に難易度が高いのが現状です。しかし、最近の都市部の神職の中には、「故人が生前、神から預かった生命としてペットを慈しんでいたのであれば、共に奉告の儀式に臨むのは理に適っている」と解釈し、特例として許可を出す方も現れています。無宗教葬や自由葬では、宗教的な制約が一切ないため、ペットが「献花の先導」を務めたり、式中に「肉球スタンプ」で結婚式の証書のようなものに署名したりといった、非常にクリエイティブな演出も行われています。どの宗教においても共通しているのは、あらかじめ司祭や神職、牧師に直接相談し、その宗教の教義を尊重した上での「特別なお願い」として話を切り出すことです。宗教者も一人の人間であり、多くの場合は自身も動物を愛する心を持っています。形式的な「許可」を求めるのではなく、故人とペットの強い絆を語り、その思いを共有することで、閉ざされていた扉が開くことは多々あります。また、特定の宗教行事を行わない場合でも、お線香や献花の代わりに、ペットの大好物だったフードを祭壇に供えるといった行為は、どの宗教においても否定されることはありません。宗教は本来、人の心を救うためにあるものです。最愛のペットと共に祈りたいという純粋な願いは、形を変えても必ず神仏に届くものであり、現代の宗教界もその切実な祈りに応えようと変化し続けているのです。
キリスト教や神道など他宗教におけるペット参列の考え方