葬儀や告別式とは別に、初七日や四十九日、一周忌といった法事が夏に行われることもあります。葬儀の際の服装と法事の服装には、共通点も多いですが、微妙な違いもあります。葬儀当日は最も格式高い正喪服や準喪服を着用しますが、法事の場合は回数を重ねるごとに「平服」へと移行していくのが一般的と言えるでしょう。夏の法事では、親族のみで行う場合は施主から「軽装で」という指示が出ていることが多く、その場合は男性であればダークスーツに地味な色のネクタイ、女性なら落ち着いた色のワンピースなどが選ばれます。しかし、お寺の本堂で行う場合や、格式を重んじる家の場合は、やはり夏用の礼服を着用するのが無難です。特に墓前での読経がある場合は、直射日光にさらされる時間が長くなるため、帽子や日傘の使用が許可されることもありますが、読経中は外すのがマナーです。日傘を使用する場合は、黒や紺のシンプルなものを選びましょう。また、夏場の法事で特に気を付けたいのが「蚊」の対策です。墓地などは草木が多く、蚊に刺されやすい環境ですので、あらかじめ虫除けスプレーを使用しておくなどの準備が必要です。また、法事の後の会食(精進落とし)では、さらにリラックスした雰囲気になりますが、それでも極端に露出の多い服や派手なアクセサリーは避けます。法事は亡くなった方を偲びつつ、親族の絆を深める場でもあります。髪をまとめるシュシュやバレッタも、黒のシンプルな素材のものを選びましょう。アクセサリーは、真珠のネックレスが一連であれば許されますが、夏場は首元の汗で真珠が傷みやすいため、使用後はすぐに拭き取る手入れが欠かせません。こうした細かな積み重ねが、暑い夏の葬儀においても、凛とした美しさと礼節を保つ秘訣となります。暑さの中、集まってくれた親族同士が不快な思いをしないよう、清潔感のある適切な服装を心がけることが、供養の一つにもなると考えられています。