葬儀を終えた後、ご遺族が迎える最初の大きな節目が「四十九日法要」です。仏教の多くの宗派では、故人の魂は亡くなられてから四十九日間、この世とあの世の間を旅し、七日ごとに審判を受け、四十九日目に最終的な行き先が決まると考えられています。そのため、この日は、故人が無事に極楽浄土へ旅立てるよう、親族が集まり、僧侶にお経をあげてもらう、非常に重要な儀式です。四十九日法要の準備は、葬儀後なるべく早くから始める必要があります。まずは、法要を執り行う日程を決めます。四十九日当日か、それより前の土日祝日に行うのが一般的です。日程が決まったら、僧侶の都合を確認し、お寺や自宅、斎場などの会場を手配します。次に、法要に招く親族の範囲を決め、案内状を送付します。出欠の確認が取れたら、法要後の会食(お斎)の場所や料理、参列者への引き出物を手配します。そして、四十九日法要で最も重要な準備が、白木(しらき)の仮位牌から、本位牌へと魂を移し替えるための準備です。仏壇店に依頼し、故人の戒名などを彫った本位牌を法要までに用意しておきます。法要当日は、僧侶による読経、参列者の焼香、そして法話といった流れで進み、その後、会食の席に移ります。この四十九日法要に合わせて、「納骨の儀」を執り行うことも多くあります。納骨とは、ご遺骨をお墓などに納める儀式です。納骨を行うためには、火葬場で受け取った「埋葬許可証」が必要となりますので、大切に保管しておきましょう。事前にお墓の管理者(霊園やお寺)に連絡を取り、納骨の日時を伝え、墓石への彫刻などを依頼します。お墓がない場合は、この機会に納骨堂や樹木葬、あるいは散骨など、故人や家族の意向に合った供養の形を検討することになります。四十九日法要と納骨は、故人の新たな旅立ちを見送り、残された家族が心の区切りをつけるための、大切な儀式なのです。