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2025年9月
  • 四十九日法要の香典袋、表書きと名前の書き方

    知識

    四十九日法要に持参する香典は、その中身だけでなく、それを包む香典袋の選び方と書き方にも、守るべき大切なマナーがあります。特に、表書きは葬儀の時とは異なるため、注意が必要です。仏教では、故人の魂は亡くなってから四十九日間、この世とあの世の間を旅し、四十九日目に成仏して仏様になると考えられています。そのため、まだ霊としてこの世にいるとされる葬儀の際には「御霊前」という表書きを用いますが、成仏した後である四十九日法要以降は「御仏前(ごぶつぜん)」または「御佛前」とするのが正式なマナーです。この違いは、故人様の状態に対する仏教的な理解を示すものであり、非常に重要なポイントです。ただし、浄土真宗のように、亡くなるとすぐに仏になる(即身成仏)と考える宗派では、葬儀の時から「御仏前」を用います。もし宗派が不明で不安な場合は、どのタイミングでも使える「御香典(ごこうでん)」や「御香料(ごこうりょう)」という表書きを選ぶと良いでしょう。水引は、葬儀の時と同様に、黒白または双銀、地域によっては黄白の「結び切り」のものを選びます。「結び切り」は一度結ぶと解けないことから、「不幸を繰り返さないように」という願いが込められています。表書きの下には、自分のフルネームを薄墨ではなく、通常の濃い墨の筆ペンや毛筆で書きます。四十九日も経ち、ご遺族の悲しみも少しは癒えたであろうという配慮から、濃い墨を使うのが一般的とされています。夫婦連名で出す場合は、中央に夫の氏名を書き、その左側に妻の名前のみを記します。会社関係で複数名で出す場合は、右から役職の高い順に名前を書いていきます。中袋の書き方は葬儀の時と同様で、表面に包んだ金額(金壱萬円など)、裏面に住所と氏名を丁寧に記入します。これらの細やかな作法を守ることが、故人様への敬意とご遺族への深い思いやりを伝えることに繋がるのです。

  • 喪主を務める、通常の忌引き休暇では足りない現実

    生活

    近親者の葬儀において、もし自身が「喪主」を務めることになった場合、その責任と役割は、単なる参列者とは比較にならないほど重く、多岐にわたります。そして、それに伴い必要となる時間も、通常の忌引き休暇の日数では到底足りないというのが、多くの喪主経験者が直面する厳しい現実です。一般的な参列者であれば、お通夜と告別式の2〜3日間を中心に休暇を取得すれば、社会的な務めを果たすことができます。しかし、喪主は故人が亡くなられた直後から、葬儀が終わった後まで、息つく暇もなく動き続けなければなりません。まず、逝去直後には、医師からの死亡診断書の受け取り、葬儀社との打ち合わせ、寺院など宗教者への連絡、親族への訃報連絡といった緊急の対応に追われます。葬儀の準備が始まれば、日程や会場の決定、祭壇や棺の選定、返礼品の準備、弔辞の依頼、そして何よりも挨拶の準備など、決断すべき事項が山のようにあります。葬儀当日も、参列者への挨拶や対応に追われ、心静かに故人を偲ぶ時間はほとんどありません。そして、葬儀が終わった後も、各種手続き(死亡届、年金、保険、各種名義変更など)や、香典の整理、香典返しの手配、そして四十九日法要の準備など、やるべきことは山積しています。例えば、父母が亡くなった場合の一般的な忌引き休暇が7日間程度だとすると、これらの全てをその期間内に終えることは、物理的にも精神的にもほぼ不可能です。そのため、もし自身が喪主を務めることになった場合は、忌引き休暇を申請する最初の段階で、直属の上司に「喪主を務めることになりましたので、通常の忌引き休暇に加えて、有給休暇を〇日ほど連続で取得させていただきたいと考えております」と、正直に事情を説明し、相談することが極めて重要です。喪主という大役を担うことへの理解を求め、早めに長期休暇の許可を得ておくことが、故人を滞りなく、そして心から見送るための、何よりも大切な準備となるのです。